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(マーケティングに限った話じゃないけど)マーケティングには守るべきものとして、リーガル・モラル・プライドの3段階がある。リーガルは必ずだけど、それ以外はその人(会社)次第。ペイパーポストとかを論じるときはこれが頭にないと話にならない。Tue Oct 06 08:39:57 via Seesmic

とくにペイパーポストの議論がかみ合ってないときに感じるのですが、その是非を問う際には、何を基準に話しているのかを明確にする必要があります。

リーガル・モラル・プライドの3つの基準

マーケティング活動にはリーガル・モラル・プライドの3つの基準があります。さすがに「リーガル」の部分は明確だし遵守せざるを得ないのですが、残りのふたつ、「モラル」と「プライド」については自主性に任されています。

pride

ひとつのケースとして本の販促について考えてみましょう。

たとえばぜんぜん売れてないのに「ミリオンセラー突破!」と謳ったり、本人はまったく知らないのに「○○も大推薦!」と勝手に語るような虚偽の広告は、景表法における「不当表示」に該当しますので(特定商取引法でも誇大広告等の禁止は定められています)、当然NGです。
これはリーガル的に問題があるパターンです。いまだと消費者庁も出てくるでしょうね。
(このあたりの法律については知識が十分じゃないので、間違い等ありましたらぜひご指摘ください)

次にAmazonでの同時購入によるランキング操作。Amazonでは直近24時間の注文数をベースにランキングを表示しているので、多くの人が手分けして注文すると100冊程度でランキングの上位に表示することができます。あくまでも瞬間最大風速ではあるのですが、オンライン書店でも街の書店と同様にランキングの効果はそれなりにあるので、有効な手段として知られています。
これは通常のショッピングなので違法ではありませんが、意図的な情報操作をしているという点ではモラル的にどうなのかという指摘もあるでしょう。

このあたりの「違法ではないけれどどうなのか」というマーケティング施策について論じる場合は、ほぼ好き嫌いの話になってしまうので、それぞれの立ち位置などをはっきりしておかないと平行線で終わってしまいます。

あるいはブロガーへの献本。最近では当たり前のように行なわれていますし、出版社の方が「コストがかからないわりに効果がある」とおっしゃってるのを聞いたこともあります。ぼくのところにも何ヶ月かに1冊くらいの頻度で届くことがあります。
ぼくも自分が本を出す際にこれをやるかどうかの話になったのですが、断固拒否しました。ひとりでも多くの人に知ってもらいたいし読んでもらいたいけど、迎合するようなやり方は受け入れられない。これはひとことで言うとプライドの問題です。

とまあ本の販促ひとつとっても、いろんな手段があり、その是非については複数の基準・観点で評価されるわけです。

合法か違法かという論議と、好き嫌いの論議は別

だからリーガルの問題ならともかく、それがモラルやプライドに依拠するものなら、自分が許せないことでも相手を責めるのはお門違いです。
それはポリシーやスタンスの違いでしかないのですから。

もちろん個人として不快感を表明するのはどんどんやればいいと思います。その結果、法律ができることもあるでしょうし。
USではペイパーポストなどをリーガルの領域でNGにしちゃおうという動きがありますが、同じことを日本で起こすことだって可能です。

「違法ではないけれど、嫌い」、「別にやればいいと思うけど、自分では絶対にやらない」、そういう評価、そういう会話をぼくらはもっとしていくべきだと思います。

ぼくは「ブランド」は「プライド」の向こう側にあると思っていて、絶対に譲らない強い信念やポリシーに共感していただけるかどうかがブランド構築のキモだと考えているのですが、もちろんそれだけが正解ではないでしょうし、異論反論もあると思います。

大事なことはそれぞれが自分の立ち位置を明確にした上で、このあたりの議論を(オンラインでもオフラインでも)どんどんやっていくことなんですよね。