前編から読む)

今回は「マーケティングの4P」の後編です。

流通戦略

前編で紹介した2つのPに続く3つ目は「流通(Place)」です。これは特にインターネットの登場前後で大きく変わりました。

どんなにいい製品でも、それに値ごろ感があって、ほしいと思っても、買えなきゃ話になりません。どこに行けば買えるのか、それを提供するために流通戦略は重要なのです。

  • 量販店に流す?
  • コンビニで販売する?
  • 百貨店にしか卸さない?
  • それとも自社製品専用の販売店を作る?
  • あるいは直販のみ?

といった購入可能場所をどうするかというところから、そういう店への供給を自社でやるのか、卸問屋を介在させるのかといったところまで考えなければなりません。

最近では、インターネット販売のみというケースも増えてきました。卸問屋が介在すると流通在庫が増えるので、生産量のコントロールが難しくなります。だから直取引を増やしたほうがいいという考え方もありますし、そうは言っても問屋システムによる効率化(=コスト削減効果)も無視できないので、どちらを選ぶかというところも重要です。

また全国展開するかどうかという問題もありますが、これは以前ほど大きな問題ではなくなっています。理由は「通信販売」の成長です。主要都市にはアンテナショップを置いてそこで販売し、その他の顧客ニーズには電話やファックス、インターネットで注文を受け付けられるので、店舗と通販をうまく組み合わせることで、「買う手段がない」という機会損失はかなり減っていると思います。

生鮮食品なども以前は賞味期限の関係で、流通可能地域が制限されていましたが、宅配事業者のサービス向上により、かなり遠方まで新鮮なまま届けることができるようになりました。こういう周辺のサービス向上は販路拡大にとても良いことなのですが、一方でコストはかさむので、そのあたりを見極めつつ、自分たちなりの流通網を整備していかなければなりません。

プロモーション戦略

最後は「プロモーション(Promotion)」です。

これは比較的イメージしやすいと思いますが、ブランディングと呼ばれる、会社や製品のイメージ作りに始まり、「欲しい」と思ってもらうための購買欲求喚起のための施策まで、このプロモーション戦略だけでもかなり多岐にわたります。

どんなに素晴らしい製品も、顧客に知ってもらわなければ売れません。広告宣伝、広報(PR)、店頭での実演販売など、大小さまざまな施策がありますが、効率よく認知度を向上させなければならいません。さらには商品特性や、それを購入することで得られるメリットを強く訴求しなければなりません。

また訴求するにしても、レクサスのような高級ブランドと、カローラのようなファミリーカーに同じプロモーションプランを用いてもうまくいくはずがありません。

対象顧客はどこにいるのか、日時や場所、タイミング、考えうるすべての機会のどれがふさわしくて、どれがそうでないかを見極めなければなりません。

さらに、競合製品と比べて何が優れているのか、今買うとどんな得があるのか、考えるべき項目は山のようにあります。

実際、このプロモーション戦略だけでも、多くの専門家がいます。それぞれ得意領域があります。いきなりすべてを習得するのは難しいと思うので、ひとつひとつの経験を積み重ねていくことが重要です。

終わりに

以上が、マーケティングミックスの個々の戦略になりますが、本当に大事なのはこれらをどう組み合わせるかなのです。

いい製品を作っても、販路がなければ買えませんし、どんなに素晴らしいプロモーション施策を考えても、そもそも価格がマッチしていなければ売れません。

1円でも高く、ひとつでも多く、1秒でも早く、そのためにはすべての戦略を単体としてではなく、複合的に考えることが必要です。それがうまくいったときに、あなたの製品は自然と売れ始めるのです。

もちろん簡単なことではありませんが、だからこそマーケティングは楽しいんだとぼくは思います。