ad:tech Tokyo レポート vol.3 「CMOの存在意義」
9/2,3に行なわれた、「ad:tech Tokyo 2009」のレポートをはせれいさんに寄稿していただきましたので、ここに掲載します。
モデレーター
●加茂 純 (CMOワールドワイド株式会社 代表取締役社長)
パネリスト
●クリス・D (ボーモント 東京大学 教授)
●村山 直樹 (KDDI株式会社 マーケティング本部長)
●小賀 雅彦 (イオンマーケティング株式会社 代表取締役社長)
●ケヴィン・M・ライアン (WebVisible, Inc.(ウェブビジブルインク) チーフマーケティングオフィサー(CMO))
1.はじめに?セッションのゴール?
- role of CMO.
- maeketing in Japanese top class corporations and American company.
- Proposing solutions of challenges of marketing.
マーケティング カイゼン 実行リーダーこそが、CMO。
企業戦略に基づいて、
(1)消費者インサイトに徹底した把握(マーケティングサイエンスの活用)
(2)企業ブランドに影響を与える活動のグローバル強化
(3)マーケティングアカウンタビィティーの実現
(4)上記を実現するインフラとしてのマーケティング組織・プロセスの再構築(ベストプラクティスの適応)
2.村山直樹氏からの講演
(1)消費者の逆マーケティング
自分達が出したプロダクトが、評価され、デジタルの波にのり、ブランドコントロールが難しくなっていることを実感している。本質的な経験価値が商品、サービスを含めてできないと負け組になる。本質に帰って、お客様に満足いただける経験価値を与えなくてはならない。4月から本部長に就任して、ヒアリングして、本当にお客にとって満足するものは何かを徹底的に調べている。機能的な差別化はもう難しいし変化もない、顧客に響かない。例えば、自動車であれば「車に乗って本当におもしろく感じるか」という経験が重要。そういった意味で、重要になるのがメディアプラン。以前は、宣伝部長だったので、360度統合して、店舗、商品、メディアに届ける時にタッチポイント型の宣伝マネジメントが重要だった。しかし、20代のOLがどういう風にメディア接触しているかというのがここ最近ですごく変わった。そういうメディア接触や、ユーザーの設計をせざるをえない。
(2)代理店の提案では太刀打ちできなくなっている
それにも関わらず、なかなかそれに気づいていないという事実がある。Webサイトに誘引するとはいえど、自分達がもっているメディアだ。だから、どういった参照元だからとか知っているのは自社だけだ。それを代理店に任せるわけではない。だからこそ、自分達ですべて設計せざるをえない。その一方で、非常に不安になる。成功モデルがないからだ。だからこそ、PDCAをまわさなくてはならない。ブランド「iida」についてもまさにそうだ。
3.Mr.ケヴィン・M・ライアンからの講演
従来からのCMOの役割と、どう変わってきているか。
CMOに関しては、思い込み、神話のようなものがある。世界を旅して、有名人に会うことができるなぁとか……。そんなものはない! 払拭したい!
CMOの現実というのは、CEO、MKTG(マーケティング)、SALES(営業)、PR(広報)、MEDIA(媒体)の主人に仕えて、板ばさみというか引っ張られるような存在だ。
いろいろな主人に仕えなきゃいけないんだ。セールスマネジメント、カスタマーサービス、プロダクト、オペレーション、ファイナンス、IT、Legal(法務)などに仕えるんだ。
4.Mr.クリス・D ボーモントからの講演
リーダーシップとは、正しいことをやるということだ。
マーケティングは言うが易し、行うは難しい。
(1)マーケティングの役割
過去には、戦略的役割はnarrowcastだった。してはいけないことがわかりやすかった。しかし、戦略的役割であり広義的である。
- マーケティングは主役であるべき
- 消費者の情報収集方法や購買方法の変化
- 内部へのブランディング(internal brand engagement)
- 価値の創造
- 数字(metrics)のせいにしない
(2)ROIの評価
数字が悪い理由はなにか。
多くの場合、
- 貧弱なポジショニングだからだ
- 表面的なセグメンテーションだからだ
- ありふれたクリエイティブだからだ
- 短絡的な視点だからだ
- 代理店の構造だからだ
ROI測定だけでは、パフォーマンスはカイゼンされない。
だからこそ、戦略的に、マーケティングの広義の意味に戻るべきだ。
(3)これからのマーケティングは
- 戦略的になれ
- ブランドをつくれ
- 不可知論的にコミュニケーションをせよ
- マーケティング投資を最適化せよ
そして、これらの精度をあげていくことこそがマーケティングを強くする。
5.最後に一言まとめ
◆村山氏より
今後どうするべきかというと、私たちだけのためのカスタマイズ代理店。組織的にやってくれていて、パートナーとして代理店にはお願いしたい。
◆古賀氏より
広島空港の事例をよくだすのだが、年間300万人の利用者に対して、近くのイオンモールには1500万人くらいきている。そこで、新しい媒体というものをやろうと思っている。
◆Mr.ケヴィン・M・ライアンより
日本に進出するのであれば、準備をしっかりすること。準備が極めて重要。さもないと、市場に対応できない。
ROIの構造、戦略的な役割がどうあるべきかを確認するのに時間がかかっている事実は否めない。
◆Mr.クリスより
日本だけの問題ではないかもしれませんが、世界中で課題に直面している。マーケティングは全社的で、もっと戦略的なものだ。
もっと選択をしていかなければならない。もっとマーケティング予算をしっかりとっていかなければならない。
マーケティングに携わる人は、キャリアだと思うべきだ。スペシャリストだ。
アナリスト的存在が必要だ。人事異動がある日本企業では、そういう風に考えられていないという懸念がまだ払拭できない。
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