[ad:tech tokyo] レポート:マルチプラットフォームで実現するリアルタイムトラッキングによるデータ解析

2010年10月28〜29日に行われたad:tech tokyoのレポートです。

セッション名:
マルチプラットフォームで実現するリアルタイムトラッキングによるデータ解析

モデレータ:
鹿毛 比呂志
株式会社ADKインタラクティブ
営業企画本部 デジタルソリューション部 部長

パネリスト:
中川 斉
株式会社ロックオン マーケティングメトリックス研究所 所長

高柳 直明
全日本空輸株式会社
営業推進本部 WEB販売部 リーダー

Michael Yu
CEO, ComRatings Interactive Ltd.

公式サイトの詳細ページ
http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_28th_08.html

データから何を読み取り、どう活用し、どういった価値を生み出すのか。リアルタイムトラッキングは、データ解析やデータ活用にどういった変化をもたらすのか。 先進的オンラインマーケティングを活用する事業主、WEB解析ツールベンダー/分析サービス提供者、中国のアドエクスチェンジ/オーディエンス測定のリーディングカンパニー、インタラクティブエージェンシーがテクノロジーとデータ解析の潮流、そしてこれらにより実現できる未来について議論する。

■モデレータによるオープニング

メディアへの流入経路などは多岐にわたり複雑になってきている
リアルタイムとnotリアルタイムがあり、もちろんすべてがリアルタイムになる訳ではない
本来は共存するべきものであり、テクノロジーによりさらに質が高められる

■Michael Yu氏による中国でのデジタルオーディエンス解析のトレンド

課題としては
・巨大なデータ量をさばかなければいけない。
・より深く分析おこなっていかなければならない。深さと質を担保した解析が必要。
・システムの自動化によってユーザーのイメージを補完していかなければいけない。
が挙げられる

Digital Audience Analytics (DAA) の開発ステージ

・フェーズ1.0:
基本的な解析

・フェーズ2.0:
クロスプラットフォーム
アプリケーションやウィジェット、ストリーミングメディア、サーチ
コマース…ECだけではなく金融サービスなど、モバイルなど他のデバイス
を含めた解析(360°トラッキング)

・フェーズ3.0:
リアルタイムトラッキング
解析モデリング
クッキーからそれがどんなユーザーかを特定する
学習により常に属性データの質を高めていく


行動ターゲティングとオーディエンスターゲティングは(特にリーチやターゲティングのアプローチにおいて)異なるものである。オーディエンスターゲティングではより高い精度と効率性が実現できる。

■ロックオン中川さんによるプレゼンテーション
マルチプラットホームにおいて各所から取れるデータとしては、クリックデータや検索クエリー、購買データなどを取得できる

特筆すべきはそれらの多くが行動データであること。意識データが多いマスメディアのデータ収集アプローチとは異なるため、特定の範囲でオートメーションが可能になってくる。

「マルチプラットホームデータ ≒ シングルソースデータ」
Cookieなどによるさまざまな接触ポイントでのデータ(マルチプラットフォームデータ)蓄積により、「ひとりのユーザー」が特定できる(シングルソースデータ)様になり、「どこのデータ?」から「このデータは誰?」に。

行動データの各指標からそれがだれなのかを特定(上にエスカレーションしていく)。
そしてその人がどんな行動を起こし、どのような指標に落ちるのか予測(下に降りてくる)。

その概念で言えばWebのデータをより上流のデータに持っていくことができるのではないか

■全日空高柳さんのプレゼンテーション

サイトは進化してきているけど、プロモーションの手法はほとんど変わってない

■ディスカッション
ビジネスとしてはコストをすくなく、利益をいかにだすかということが重要

最近のインターネットのアプローチはコンバージョン、という指標が明確すぎて、
刈り取りに注力しやすくなっている。焼畑農業的。
ではどれだけ種まくべきなのか?
→アトリビューションの上流からそれが求まるのだろうか?

データの量は必要か?
→オンラインのデータに依存した場合は非常に多くのデータが必要。
ただし、パネルデータ(自社のデータ)があればそこまででもないはず。
配信プラットフォームなどを提供することで集めている場合もある。

筆者コメント

ユーザーごとのターゲティング配信の潮流が盛り上がってきているのに合わせて
ユーザーベースでのトラッキングをどのように行なっていくかということが
話し合われています。

今後は「定量的な情報を可視化する」という役割から、「そのデータをどのように利用していくか」というビジネスインテリジェンスの分野に近い視点でのトラッキングデータの解析が行われており、配信の技術などと合わせてそれがリアルタイムに反映できるようになってきています。

今後はよりオンラインオフライン関わらずデータの統合が進み、ユーザーのデータをベースに広告配信までシームレスにつながってくる話が多くなってくるのではないでしょうか。

加藤英也

株式会社サイバーエージェント エンジニア 広告トラッキングのほか、アドテクノロジー関連の開発を担当しています。

シェアする

コメントを残す