Google Analytics などのデータを取り込む SEO ツール – Ginzametrics
Google AnalyticsやSiteCatalystなどのデータを取り込むSEOツール「Ginzametrics」のベータ版を利用させていただいてます。数日ほど利用してみましたので、簡単なレビューを残しておきます。
Ginzametricsの概要
Ginzametricsは、設定キーワードでの検索エンジンにおける順位(ランキング)のモニタリング、サイトやページへの流入数とコンバージョン数のモニタリング、そして各ページの簡潔な分析を提供してくれる、「SEOに特化したダッシュボード」の特徴が強いツールです。Google AnalyticsやSiteCatalystといったアクセス解析ツールのデータを自動的に取り込むことができるため、サイトへの流入とコンバージョンの状況を、検索エンジンの状況とページ分析とを併せて俯瞰することができます。
現時点で連携できるアクセス解析ツールは、Google Analytics、SiteCatalyst、WebTrends、Coremetrics。連携方法はツールによって異なると思います。
開発のGinzamarkets社のRay Grieselhuber氏が日本語が堪能なため、英語だけでなく日本語も当初からデフォルトで完全対応しているのも大きなポイントです。
まだプライベートベータであるため、今後大きく仕様が改善、変更になる可能性があります。
ダッシュボード
ダッシュボードでは、GoogleとYahoo! Japanでの設定キーワードの順位状況のまとめと前回との比較、進入件数(流入数)、コンバージョン数、コンバージョンレートなどが表示されます。フリープランでは1サイトあたり5つまでキーワードを設定できます。このダッシュボードで平均を出してもあまり意味をなさないかなと思ったのですが、テストしたサイトの規模が小さいのと設定キーワードが少ないからそう感じるのかもしれません。
ページ・レポート
ページのレポートでは、設定したキーワードで過去に流入があったページ(違うかもしれません)のGoogle、Yahoo!別のランキングとその詳細状況が確認できます。
各ページのリンクをクリックすると、そのページに該当するキーワードの順位、進入件数(流入数)、コンバージョン関係のデータが確認できます。順位だけでなく、アクセス解析データと並べて見られるのがいいですね。
上部の「コンテンツ分析」をクリックすると、そのページの簡潔な分析が表示されます。先程のキーワードの状況と合わせてスムーズに見ることができると思います。
キーワード・レポート
指定キーワードのGoogleとYahoo! Japanでの順位、および進入件数(流入数)、コンバージョン数、コンバージョンレートが一覧表示されます。利用日数が浅いため未確認ですが、毎日更新されるデータではない模様。ページのレポートの日付が「2010-8-22」だったのに対し、このキーワード・レポートの日付は「2010-8-20」です。
各キーワードのリンクをクリックすると、詳細のレポートになります。各検索エンジンの順位、流入数、コンバージョン関係の数字、ランディングページ(おそらく過去に流入があったページ?)などが把握できます。検索エンジンの状況は、上位100件まで一覧で表示されます。
アドバイス・レポート
アドバイスのレポートでは、先程のページ・レポートのコンテンツ分析と同じような形式です。ページ・レポートのコンテンツ分析では該当ページ単体の状況でしたが、アドバイスレポートではサイト全体から各ページの状況を見ていくということになります。ちょっと情報が混在している感じがして、ぱっと見てわかりにくい印象を僕は受けました。
レポート
レポートという名のレポートです…。各キーワードの検索エンジンでの順位、流入数、コンバージョン数を一つのグラフで表現した内容です。データがあまりたまっていないためキャプチャ画像ではピンときませんが、データがたまればトレンドとして俯瞰ができると思います。期間やキーワード、検索エンジンをそれぞれ指定して表示させることができます。
コンバージョンイベント・レポート
コンバージョンイベントのレポートでは、アクセス解析から連携して引っ張ってきたデータだと思いますが、僕の場合は該当するコンバージョンと「キーワード数」の数字のみ表示されています。キーワードの内訳などが見られるようになればよいと思います。
設定まわり
設定まわりの情報です。サイトを設定する際、全ページの情報をXMLサイトマップやCSVなどで一括登録することができます。前述の通りいくつかのアクセス解析ツールとも連携しており、普及しているGoogle AnalyticsやSiteCatalystとデータを結びつけることができます。
また、アカウントの下にユーザーを追加することができ(プランによって数に制限があります)、ユーザーごとに管理できるサイトを制限することができるので、代理店や複数のサイトを管理しているサイト管理者には便利かと思います。
アクセス解析ツールとの連携させるため、Ginzametricsとしてサイト全体に何かタグをはるといった作業は必要ありません。基本的にはサイトのドメインを指定し、全ページの一覧を何らかの方法で取り込ませるだけです。
日本語のサポート
日本語にも完全対応しています。データの取り込みだけでなく、レポート画面の表記、サポートの受付も日本語に対応しています。
まとめ
Google AnalyticsやSiteCatalystなどのアクセス解析ツールのデータと併せてみることができる、という点が大きなポイントだと思います。検索エンジンへのインデックスの状況、順位、そしてサイトへの流入とコンバージョンの状況、ページの分析状況が一つのツールで把握できるというところが、便利に感じました。コンバージョンの数字だけでなく、直帰率などの数字も表示されるとよいと思います(SiteCatalystだと厳しいか)。
もちろん機械的に分析、取得したデータであるため、細かいところは個別に見る必要があるでしょうし、ダッシュボード的な意味合いで利用するツールだと思います。運用の大まかな把握の自動化といった役割になるでしょうか。
掛け合わせのキーワード(複数キーワードの組み合わせ)を指定すると、スペースのありなしで結果が思うようにいかないといったことが起こりました。そもそも日本語だとおそらくどんなツールでもこういう問題に突き当たるので、仕方がないかもしれません。
多くのレポートで過去のレポート内容を表示できず、またデータのCSVなどでのダウンロードもできないため、「先月の○日の状況は?」の確認が現時点ではむずかしいようです。このあたりは改善希望です。
Ginzametricsは、「自社でサイトを運用しているけれども、サイトの作りが古くてコンテンツごとにバラバラ、メンテナンスもなかなかできていない」といったサイトにとって、現状を把握できるツールとして有効に使えるのではないかと思います。どちらかといえば規模の大きいサイトで、管理者が全体を把握しきれない場合に生きてくるのではないでしょうか。フリープランではキーワードの指定が5つまでなので全然足りないはずですが。
まだプライベートベータ版のため、今後のブラッシュアップに期待します。
※「Ginzametrics – Google Analyticsなどのデータを取り込むSEOツール | makitani.com」からの転載です。
河野コメント
まず「Ginzametrics」はサイト全体のデザインがかなり好みです。市嶋さんのブログを見て、すぐに転載の依頼をさせていただきました(もちろん内容も率直かつ正直にレビューしていただいているのでお願いしたわけですが)。
何点か気になったところ。
ページのレポートのところで、Google、Yahoo!別のランキングが見れるとのことですが、これは今後どうなるんでしょうね。USのYahoo!はBingのエンジン採用なのでこのレポートにBingがないのかもしれませんが、日本ではGoogleのエンジンを採用することになったので、この画面では両方とも同じ結果が表示されるのでしょうか。
マルチユーザー(ひとつのアカウントを複数人で共用し、さらに個別に権限を分けることができる)のはいいですね。まだまだアクセス解析をひとりでやってる方も多いと思いますが、企業では複数人で対応していくべきだと思いますし。
タグの貼り付けがいらないというのはいいですね。システムの人にお願いしてイヤな顔されることもないですし。
ぼくはSEOというものは最低限の配慮さえしておけば、それ以上あれこれと考えることは無意味だと思っています。そんな労力をかけるならコンテンツの充実に向けたほうがいい。
その最低限のチェックをするためにも、この手のダッシュボード的なツールを導入して急激な変化に気付ける仕組みを用意しておくのはいいことだと思ってます。
Free版の登録ができるようになったら、マーケティングis.jpでも試してみようと思います。
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