ツイッター企業アカウント調査(2010年11月版)

毎月恒例のツイッター企業アカウント調査です。

今月も調査対象アカウントとしてtwinaviに掲載されている公認アカウントにしようと思ったところ、該当ページが非公開になっているため最新のリストではなく、先月のリストを流用して取得対象2,773件を対象としました。じっさいには削除されているアカウントもあり2,760件が対象です。

上記ページについて再公開の予定があるのかを現在問い合わせています。

調査結果

企業アカウントが利用しているクライアントソフト

今月は少しだけwebの比率が下がっています。先月の48.5%から4ポイント近く下がってますね。上位10クライアントの合計を比較すると、先月が79.0%で、今月が77.4%ですから、その他のクライアントが増えたことになります。

クライアント名 採用企業数 割合 変動
web 1234 44.7%
HootSuite 316 11.4%
twitterfeed 115 4.2%
TweetDeck 89 3.2%
ついっぷる 81 2.9%
TwitBird 80 2.9%
twittbot.net 69 2.5%
Echofon 64 2.3%
Twitter for iPhone 54 2.0%
CoTweet 34 1.2%

今月から先月との順位変動が見れるようにしました。といっても僅差による入れ替りしかありませんね。
この手のケースではネットワーク効果が働いて情報が充実するため、きっと今後も(よほどのことがない限りは)HootSuiteが安定して支持を集めるでしょう。

じっさいに運用を考える際のポイントはweb版で始めた企業がいつHootSuiteなどの専用クライアントに移行するかで、ぼくはひとつのタイミングは「同時に4人以上と会話が続いている状況」になったあたりかと思っています。
3人と同時くらいまでなら人間の記憶でも十分ですが、それ以上になるとツールに頼ったほうがいいでしょうね。もちろん複数人で運用する場合は最初から専用クライアントを利用されることをオススメします。

先月のコメントの繰り返しになりますが、企業がユーザーと対話する場合に、以前どういうやり取りかをしたかを踏まえずに、前回と同じ案内をすることほど恥ずかしいことはありません。その機械的な対応はマイナスイメージにしかならないので、履歴管理ができるクライアントソフトを使ったほうがいいでしょう。

企業アカウントの最新ツイート日

最新ツイートのグラフです。左に行くほど直近に発言していることになります。

全アカウントのデータを同時に取得できないため、24時間程度のタイムラグはありますが、直近1週間以内にツイートしている企業が全体の80.1%に達していることを考えれば(3日以内では55.8%)、やはり企業アカウントはアクティブなほうだと言えます。

企業アカウントのフォロー数

続いて企業アカウントのフォロー数(企業アカウントがフォローしているユーザー数)をグラフにしてみました。

誰もフォローしていない企業が123件、全体の4.5%あります。3件以下だと10.5%になりますね。

ツイッターの制限がかかる2,000件のところで山ができています。ツイッターの仕様では2,000人以上をフォローするには、自分のフォロアー(被フォロー)数の1.1倍までしかできないため、2,001件のところが山になっているのでしょう(企業数は14件)。

企業アカウントの被フォロー数

最後に被フォロー数のグラフです。企業アカウントは個人アカウントに比べるとフォローされやすい傾向にあるわけですが、実態を見てみます。

いちばん多かったのは日本気象協会のアカウント「@tenkijp」で539,466人がフォローしていました。ほかにも被フォロー数が10万を超える企業アカウントが8件ありました。

上位10件を並べてみました。参考までにこれまでのツイート数やフォロー数も掲載しています。

アカウント名 ツイート数 フォロー数 被フォロー数
@tenkijp 1,688 3 539,466
@mainichijpedit 11,925 20 432,331
@asahi 11,868 25 378,981
@natalie_mu 25,473 3 262,923
@yahoo_shopping 16,959 61,699 228,858
@twinavi 4,908 987 202,535
@mos_burger 2,301 0 159,590
@UNIQLO_JP 409 1 126,491
@kakakucom 3,729 14,530 106,390
@tohdamikio 3,423 99,798 96,498

じっさいには今回の取得対象に入っていない企業アカウントもあるでしょうから、本当のトップ10ではないと思います。また言うまでもなく被フォロー数の多寡がその企業の価値を示すものではありません。

ツイッター関連のセミナーでも講師が自分の被フォロー数が多いことをアピールしていますが、誰彼かまわずフォローしてフォローし返してもらって増やすような行為をする人も多いです(そういうことを自動的に行なうツールもあるようです)。

考えてみればわかると思いますが、フォローというツイッターの独特な関係性は量的なものばかりではなく、むしろ質的な特性が尊重されるべきです。とくに企業が利用する場合は質のみを追求するくらいでいいと思います。
量、すなわちリーチで言うなら広告を出したほうがはるかに届きます。そうではなくてあなたのツイートに耳を傾けてくれるファンにどれだけフォローしてもらえるかを考えましょう。

データの精度について

このデータの精度について、いくつか説明しておきます。

調査対象は先月時点でtwinaviに掲載されていた企業アカウント2,773件です(じっさいには削除されたものをのぞく2,760件)。冒頭に書いたように現在そのページが非公開になっているため、先月時点のリストを流用しました。今後の対象アカウントの追加については考え中です。

使用クライアントは各企業アカウントごとに直近5件のツイートを対象にして、分類しています。たとえばあるアカウントの直近5件のツイートが「web」経由で3件、「HootSuite」から2件の場合は「web」と分類されます。
そのためたまたま取得したタイミングでRSSからの流し込みの処理が走っていたり、その日がイベントの中継を行なっていたために一時的にUstreamからの投稿になってたり、夜だったために担当者がモバイルでアクセスしていたということもあります。

この各アカウントに対する取得タイミングのタイムラグは(APIのアクセス規制がかからないようにかなりゆっくり叩いているため)現状で約24時間になっておりますので、ツイート数以外にもフォロー数や被フォロー数などすべての数値に誤差が生じる原因になっています。
したがって時間帯によっていくつかの影響があると考えられます。たとえば午前中は担当者が「CoTweet」のようなクライアントソフトでリプライをして、午後は「twitterfeed」による自動ポスト中心の企業があれば、取得タイミングによって偏りが生じます。
(ホワイトリストへの登録は何度か依頼したのですがダメでした)

このような理由により、細かく見ると正確性には欠けるのですが、大きくトレンドとして捉える分には問題ないと思います。

今後の調査について

ツイートしている時間帯なども見ていきたいですし、上記の懸念点に書いたような時間帯によって使用クライアントが異なるのかどうかも明らかにしていきたいと思っています。

今回取得したデータはこちらにExcelのファイルで置いてありますので、自由にダウンロードしてください。

河野

当メディア編集長。コミュニケーション・デザイナー。企画屋。1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知らせメール」などを考案した。また、はてな社との協業による商品の人力検索サービス等をプロデュース。2005年から2007年までシックス・アパート株式会社のマーケティング担当執行役員を務める。2007年から2010年までブックオフオンライン株式会社取締役を務め、サービスの立ち上げ全般のサポートに加え、「オトナ買い」や「デマチメール」などの独自機能を考案した。その後、フリーランスに。2014年から株式会社クラシコムに勤務。現在に至る。「アクティブサポート」や「最愛戦略」の提唱者。個人として「攻城団」と「まんがseek」を企画運営。個人のサイトはsmashmedia

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