ツイッター企業アカウント調査(2010年12月版)

毎月恒例のツイッター企業アカウント調査です。

今月も調査対象アカウントは最新のものが用意できなかったので、10月時点のリスト(2,773件)を対象としました。

調査結果

企業アカウントが利用しているクライアントソフト

先月と比べると少しだけwebの比率が上がっています。ただし先月の44.7%と比較すればという話で、先々月の48.5%には戻ってません。またそれと関連してか2位のHootSuiteの比率が下がっています。
上位10クライアントの合計を比較すると、76.7%でした(先月が77.4%、先々月が79.0%)。そして顔ぶれは変わらず、順位の変動もほとんどありませんでした。

クライアント名 採用企業数 割合 変動
web 1257 45.3%
HootSuite 293 10.6%
twitterfeed 111 4.0%
TweetDeck 97 3.5%
ついっぷる 84 3.0%
TwitBird 76 2.7%
twittbot.net 67 2.4%
Twitter for iPhone 52 1.9%
Echofon 51 1.8%
CoTweet 38 1.4%

webのリニューアル、認証方式の変更などからだいぶ経つのですがwebが約半数をずっと占めていますし、2位のHootSuiteも比率は微増微減を繰り返しながらも順位は変わらないですね。

だんだんと企業のツイッター活用が一般化してきており、同時に担当者の引き継ぎが現実問題になっている中で、どういうクライアントを利用するかがポイントになりつつあると見ています。
メニューが英語か日本語化というのも大事ですが、それよりも過去のやり取りの履歴がきちんとさかのぼって見れるかどうか、まさに対話を資産として活かせるかがポイントだとぼくは思います。

企業アカウントの最新ツイート日

最新ツイートのグラフです。左に行くほど直近に発言していることになります。

全アカウントのデータを同時に取得できないため、24時間程度のタイムラグはありますが、直近1週間以内にツイートしている企業が全体の77.2%でした(先月は80.1%)。
3日以内では70.9%となっており、先月(55.8%)よりも多いです。

企業アカウントのフォロー数

続いて企業アカウントのフォロー数(企業アカウントがフォローしているユーザー数)をグラフにしてみました。

誰もフォローしていない企業が145件(先月は123件)、全体の5.2%(先月は4.5%)あります。3件以下だと10.9%(先月は10.5%)になりますね。

先月のコメントと同じですが、ツイッターの制限がかかる2,000件のところで山ができています。ツイッターの仕様では2,000人以上をフォローするには、自分のフォロアー(被フォロー)数の1.1倍までしかできないため、2,001件のところが山になっているのでしょう。

企業アカウントの被フォロー数

最後に被フォロー数のグラフです。企業アカウントは個人アカウントに比べるとフォローされやすい傾向にあるわけですが、実態を見てみます。

いちばん多かったのは先月同様、日本気象協会のアカウント「@tenkijp」で554,179人です。先月が539,466人だったので、15,000人くらい増えていますね。

先月の上位アカウントの増減数を調べてみます。

アカウント名 11月調査時点 今月の調査時点 増減
@tenkijp 539,466 554,179 14,713
@mainichijpedit 432,331 440,245 7,914
@asahi 378,981 381,042 2,061
@natalie_mu 262,923 267,144 4,221
@yahoo_shopping 228,858 230,061 1,203
@twinavi 202,535 220,793 18,258
@mos_burger 159,590 170,736 11,146
@UNIQLO_JP 126,491 140,999 14,508
@kakakucom 106,390 109,844 3,454

いずれも4桁以上ですごい増え方ではあるのですが、けっこう差があるなと思いました。これらのアカウントがどういう経路でフォロアー獲得をしているのかも気になりますね。また彼らのKPIが被フォロー数なのかどうかも。
もちろん被フォロー数が多いことが悪いことだとは思いませんが、大事なのは「なんのためにツイッターを活用するのか」であり、それに連動したKPIを定めることですね。

データの精度について(再掲)

このデータの精度について、いくつか説明しておきます。

調査対象は10月時点でtwinaviに掲載されていた企業アカウント2,773件です。
使用クライアントは各企業アカウントごとに直近5件のツイートを対象にして、分類しています。たとえばあるアカウントの直近5件のツイートが「web」経由で3件、「HootSuite」から2件の場合は「web」と分類されます。
そのためたまたま取得したタイミングでRSSからの流し込みの処理が走っていたり、その日がイベントの中継を行なっていたために一時的にUstreamからの投稿になってたり、夜だったために担当者がモバイルでアクセスしていたということもあります。

この各アカウントに対する取得タイミングのタイムラグは(APIのアクセス規制がかからないようにかなりゆっくり叩いているため)現状で約24時間になっておりますので、ツイート数以外にもフォロー数や被フォロー数などすべての数値に誤差が生じる原因になっています。
したがって時間帯によっていくつかの影響があると考えられます。たとえば午前中は担当者が「CoTweet」のようなクライアントソフトでリプライをして、午後は「twitterfeed」による自動ポスト中心の企業があれば、取得タイミングによって偏りが生じます。
(ホワイトリストへの登録は何度か依頼したのですがダメでした)

このような理由により、細かく見ると正確性には欠けるのですが、大きくトレンドとして捉える分には問題ないと思います。

今後の調査について

とりあえずこの調査は今回で最後にしようと思います。毎回そうそう変わらないことがわかったので。
いずれ特定企業の利用状況については、ツイートしている時間帯などを調べようかとも思っていますが、ちょっとまだ未定です。

カトキチで有名なテーブルマークが年内でアカウントを閉鎖するなど、ツイッターの活用が予想通り一段落しつつあるわけですが、こうした継続性のなさ(それも個人に依存しすぎたゆえの閉鎖や廃止)こそがソーシャルメディアマーケティングにとっていちばん避けなければならないことです。
目立つ必要はないので、地道に自社のファンとコミュニケーションを続けていきたいものですね。

今回取得したデータはこちらにExcelのファイルで置いてありますので、自由にダウンロードしてください。

河野

当メディア編集長。コミュニケーション・デザイナー。企画屋。1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知らせメール」などを考案した。また、はてな社との協業による商品の人力検索サービス等をプロデュース。2005年から2007年までシックス・アパート株式会社のマーケティング担当執行役員を務める。2007年から2010年までブックオフオンライン株式会社取締役を務め、サービスの立ち上げ全般のサポートに加え、「オトナ買い」や「デマチメール」などの独自機能を考案した。その後、フリーランスに。2014年から株式会社クラシコムに勤務。現在に至る。「アクティブサポート」や「最愛戦略」の提唱者。個人として「攻城団」と「まんがseek」を企画運営。個人のサイトはsmashmedia

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