宣伝会議Internet Marketing & Creative Forum 2009 #2

宣伝会議Internet Marketing & Creative Forum 2009 のレポートをお届けします。

外部との協働により成長を続ける会員制サイト「コカ・コーラ パーク」?マーケティングへの活用と、メディア化にむけた今後の戦略?

●日本コカ・コーラ株式会社 マーケティングオペレーションズ
インタラクティブマーケティング マネジャー 足立浩俊 氏

講演内容

日本コカ・コーラと日産自動車と共同で行った「コカ・コーラ×cube Xmasハッピースフルキャンペーン」をはじめとしたネットコラボレーションの成功事例を紹介。成功するコラボレーション企画のポイントを解き明かすとともに、650万人という巨大会員サイトに成長した「コカ・コーラパーク(Coca-Cola Park)」リニューアルの紹介と今後のメディア媒体としての戦略を紹介する。

講演者プロフィール

1971年生まれ。大手メーカーの貿易関連業務(中南米担当)を経て、2000年ソフトバンク・メディア・アンド・マーケティング(株)入社。オンライン英会話スクールやBtoCを中心とした米国ウェブ企業とのジョイントベンチャーを立ち上げ、子会社の取締役に就任。2006年より現職。会員650万人の「コカ・コーラパーク」のプロジェクトマネージャーであり、数多くのウェブプロモーションを手がける。担当した「Coke+iTunes」、「コカ・コーラ オリンピック応援パーク」で日本プロモーション企画コンテスト受賞。

これくらい、メーカーのサイトがメディア化したら、広告媒体の未来はどうなるのだろうか。ユーザーが必要としているコンテンツを掲載していくことで、そこに製品情報を載せていくということになるのだろうか。

とはいえ、このあたりはすでに米国本社のナレッジがあったからできたことなような気がする。

「コカ・コーラパーク」について

ポータルサイトを意識したコンテンツラインアップ、天気とか星占いとかニュースとかあって、そのうえに製品情報を出す。CMも掲載して、プレゼントは全部コカコーラとか。「Yahoo!を超えるポータルサイト」というスローガンだったそうです。

「コカ・コーラパーク」への導線は、各種媒体、プロモーションから多くのアクティブユーザーを流入させた。例えば、モバゲー、Yahoo!などへの出稿、リスティング、テレビ、ウェブプロモーション、メルマガ、自販機などのメディアやチャネルを活用。

効果的な号外メールとは、例えば自社契約セレブリティのイベント(マスターズの出場、大相撲大会優勝など)で号外メールを配信。自社契約セレブリティの有効活用(明石家さんまとか、石川遼とか、女子ホッケーチームとか)。コカコーラはこれだけカッコいいタレントやスポーツ選手と契約している会社であるというアピールをしていく。

コラボレーションの成功事例を紹介

(1)コカ・コーラ×モバゲータウン(2007年5?6月)

モバゲータウン、テレビCM×雑誌×製品×自販機×ストア×コカ・コーラパークといったクロスメディアで大規模展開した。そして、コカコーラ×モバゲータウンの限定コンテンツ(ゲーム、デコメ、アバター)でコカ・コーラパークとモバゲーへ会員登録。

(2)コカ・コーラ オリンピック応援パーク(2008年7?9月)

コンセプトはオリンピックと一緒に見るサイト(Yahoo!を超えるサイトを作ろう!)。
だからこそ、ニュース、テレビ番組表、選手情報、競技結果などポータルサイトを意識した。だから製品情報よりもニュースが先にくる。コカ・コーラらしさとして、北島康介選手とのタイアップ、セールスプロモーションなど。
Yahoo!、セブンイレブン、フジテレビ、自社サイト、オリンピックのスポンサー、コカ・コーラパーク(コミュニティ)などのクロスメディアプロモーションを実施。

※試合結果が出た瞬間にパーク会員への一斉配信。オリンピック応援メールも毎日配信。

結果的に、滞在時間ではYahoo!を抜いた。PVは負けたけど……(IOC 2009調査)。
2008年の北京オリンピックで訪問したウェブサイトでは、Yahoo!が53%、コカ・コーラが10%。

(3)コカコーラ×日産キューブ (cube)

1企業×1企業のタイアップ事例。
コカ・コーラパーク、日産キューブサイト(Yahoo!、mixi、MSNから誘導)、日産メルマガ、新型キューブ記者発表会などからのクロスメディア戦略。コカ・コーラパークと日産メルマガ会員のダブルオプトインにしてゲームをさせる。

  • 朝刊ニュースは、350万通配信でCTR15%
  • キューブも目標値の2倍の受注に(もちろんこれだけが要因ではないですが)

(4)コカコーラ×日産ノート(NOTE)

  • キャンペーン参加者70.6万人
  • 30?40代の積極的参加
  • 期間中サイト総PV:1.144万PV(3週間)

今後のコカ・コーラ パークについて

コカ・コーラパークのトラフィックを利用し、メディア媒体化していく。
広告費の減少だけでなく、ROIを高めたいし、さらには、他社のプロモーションを推進していく。

コカ・コーラ本社も “My Coke Rewards” の事例でコムキャストのCMや携帯製品CMをやっていて、すでにメディア媒体化している。アドワーズを出したり、広告販売をしていくのを日本でもテストしていっている。

ここを収益化して、ウェブの事業へ再投資にしていく。ちょうど5月3日に全面リニューアルして、ポータルサイトに近づけた。

はせれい

マーケター+ジャズシンガー

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