ソーシャルマーケティング
目次
概要
ソーシャルマーケティング(social marketing)とは、企業の利益追求中心のマーケティング(マネジリアルマーケティング)に対し、社会とのかかわりを重視するマーケティングの考え方である。
提唱者等
1971年にフィリップ・コトラーによって提唱された。
解説
ソーシャルマーケティングとは、従来の企業の利益追求中心のマーケティングに対し、社会との関わりを重視するマーケティングの考え方を指す。
ソーシャルマーケティングがコトラーによって提唱された1960年代後半から70年代前半のアメリカでは、買わせるための強引な販売やプロモーションが行われていた。また企業目標達成のため、消費者ニーズやウォンツを明らかにし、いかに効率的にそれらを喚起したり、応えたりするか、ということのみに腐心する企業がほとんどだった。
ところが、製品やサービスそのものが消費者や社会に対する配慮が欠けていたりしたこともあり、消費者運動と訳される「コンシューマリズム」が台頭した。こうした反省を踏まえ、それまでの企業経営の視点のみからマーケティング活動を行う「マネジリアルマーケティング」に対して、新たにソーシャルマーケティングの考え方が登場した。
また、近年では、非営利組織のマーケティングにも応用されている。
コトラー以外のソーシャルマーケティング
コトラーのソーシャルマーケティングが従来のマネジリアルマーケティングの技法を企業だけでなく、政府、博物館といった一般の非営利組織にも応用、拡張していこうとするものであるのに対し、W.レイザーが提唱したソーシャル・マーケティングはこれまでのマーケティング行動に社会対応が欠如していたという反省のもとに、評価判定基準に社会的利益や価値をおこうとする考え方である。
ソシエタルマーケティング
ソシエタルマーケティング(societal marketing)は企業の社会的影響力を考慮しつつ行う具体的マーケティング活動をいい、広い意味でソーシャルマーケティングに含まれることが多い。
ソーシャルメディアマーケティングとのちがい
ソーシャルマーケティングは、最近ではソーシャルメディアマーケティングの意味として使われることもある。これはインターネットの普及に伴い、企業のマーケティング活動がソーシャル化し、消費者間の繋がりや社交性を含んだマーケティングが行なわれるようになったため。 2006年9月6日に、健康と社会変革に関する米国政府系の非営利組織に勤務するNedra Weinreich氏が自身のブログ上で従来のソーシャルマーケティングとの違いを整理した。
参考事例
参考書籍
- 社会的責任のマーケティング—「事業の成功」と「CSR」を両立する ISBN 978-4492555743