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概要
NPS(ネットプロモータースコア、Net Promoter Score)とは、顧客のロイヤルティを測るための指標のひとつ。単純化されているため、利用・紹介されることが多い。「推奨者正味比率」と訳される。
なお、Net Promoter Score、及びNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの商標である。
提唱者等
フレデリック・ライクヘルド。
解説
NPSは、ライクヘルドが提唱した顧客ロイヤルティを知るためのシンプルな調査方法である。彼は著書『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』(ISBN 978-4270001479)でこれまでの顧客満足度調査では不十分あると述べている。
NPSの調査方法
顧客に対して「あなたは○○の製品(サービス)を友人に薦めますか?」と聞き、その11段階の評価をもとに、数値によって3つのグループに分けるというもの。
- 10~9:推奨する立場(プロモーター)
- 8~7:推奨も批判もしない受動的な立場
- 6~0:批判的な立場
上記の調査を複数の顧客に対して行い、推奨する立場の人の比率から批判的な立場の人の比率を引くことで得られる数値がNPS(ネットプロモータースコア)である。NPSは -100% ~ 100% の間で表される。
推奨者の割合 - 批判者の割合 = 推奨者の正味スコア(NSP)
たとえば、推奨者が30%で批判者が20%であれば、NPSは10%となる。もし推奨者が20%で批判者が30%であれば、NPSは-10%となる。
NPSの読み取り方
ライクヘルドは、NSPが収益性や売上などと相関性を持つ指標として有効であると述べている。
推奨者は、その会社やサービスへの満足度が高い人であり、このセグメントはたいていの場合、再購入率が高く、顧客維持率も高い。そして、紹介客の80%は、このセグメントの客に薦められていると言う。
また中立者は、「受身」で満足しいている状態であり、このセグメントはロイヤリティではなく、惰性が動機づけになってる場合が多い。そして批判者は、その名の通りで、否定的なクチコミの大部分は、このセグメントから発せられる。
平均的にはNSPが12ポイント増加すると、企業の成長率が倍増すると言われる。
NPSの問題点
NPSはシンプルでわかりやすいことから評価が高い一方、「推奨するかどうか」の質問がビジネスの成長をうまく予測できる数値であるということの科学的な証明はないとした批判もある。
また、ある商品やサービスを推薦できるかという質問を11段階で回答してもらうことも非常に難しい。ある人にとって「普通」や「どちらでもない」とする数値が数段階ずれることは容易に想像できるため、回答者によって9と8のちがい、7と6のちがいは生じやすい。 さらに国内でビジネスをしている企業を前提にした場合、日本人の中庸性を考えると5や6に集中することが推測され、NPSは辛口の評価になってしまう可能性が高い。
しかしNPSが高いことが絶対的に良いことであることはまちがいなく、また何かの施策を行ったりした際の前後調査で見る場合には非常に有効である。
参考URL
参考書籍
- 顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」 ISBN 978-4270001479