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2010年11月28日 (日) 08:50時点における版
目次
概要
イノベーター理論とは、社会学者であるエベレット・M・ロジャースが提唱した、イノベーションの普及に関する理論。商品購入への態度により、社会を構成するメンバーを5つのグループへと分類したものである。
提唱者等
スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が1962年、『Diffusion of Innovations』(邦題『イノベーション普及学』)で提唱。
解説
>> イノベーター理論において、ロジャースは消費者の商品購入に対する態度をもとに新しい商品に対する購入の早い順から、5つのタイプに分類した。この5つのタイプの割合は、右図のようなベルカーブ(釣鐘型)のグラフで示される。
イノベーター理論における5つのグループ
イノベーター(Innovators:革新者)
新しいものを進んで採用する革新的採用者のグループ。彼らは、社会の価値が自分の価値観と相容れないものと考えている。全体の2.5%を構成する。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する初期少数採用者のグループ。「オピニオンリーダー」となって他のメンバーに大きな影響力を発揮することがある。全体の13.5%を構成する。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
「ブリッジピープル」とも呼ばれる。新しい様式の採用には比較的慎重な初期多数採用者のグループ。全体の34.0%を構成する。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
「フォロワーズ」とも呼ばれる後期多数採用者のグループ。新しい様式の採用には懐疑的で、周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。全体の34.0%を構成する。
ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な伝統主義者、または採用遅滞者のグループ。世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しない。全体の16.0%を構成する。中には、最後まで流行不採用を貫く者もいる。
普及率16%の論理とキャズム
ロジャースはイノベーターとアーリーアダプターの割合を足した16%のラインが、商品普及のポイントであることを指摘し、これを「普及率16%の論理」として提唱している。
イノベーターはその製品が実用的であるかにかかわらず、目新しさを支持して購入する層であるため、多くの人が共感するようかは別である。一方、アーリーアダプターはその製品が提供する新しい価値や実用性に着目して購入するため、このオピニオンリーダーとも呼ばれる層に支持されて初めて市場に受け入れられたと言える。 一般にアーリーアダプターは社会において他の消費者への影響力が強いと言われる。そのゆえアーリーアダプターへの対応が重要だと説く。
またこの「普及率16%の論理」に対してジェフリー・A・ムーア(Geoffrey A. Moore)は、ハイテク産業の分析から、アーリーアダプターとアーリーマジョリティとの間には容易に超えられない大きな溝(Chasm:キャズム)があることを示している。 そのため、アーリーアダプターを捉えるだけでは不十分であり、アーリーマジョリティに対するマーケティングも必要だという「キャズム理論」を説いている。
参考URL
参考書籍
- イノベーション普及学 ISBN 978-4382050518
- イノベーションの普及 ISBN 978-4798113333