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+ | ブルーオーシャン(Blue Ocean)とは、W・チャン・キムとレネ・モボルニュが著したビジネス書『ブルー・オーシャン戦略』の中で述べられている経営戦略論に登場する概念。 | ||
+ | 競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。 | ||
+ | また、その戦略を「ブルー・オーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)」と呼ぶ。 | ||
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− | + | INSEADビジネススクール教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュ。 | |
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+ | 従来からよく知られているマイケル・ポーターの競争戦略が、「事業が成功するためには低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略のいずれかを選択する必要がある」としているのに対し、ブルー・オーシャン戦略では、低コストと顧客にとっての高付加価値は両立し得ると主張している。 | ||
− | + | レッド・オーシャンな市場は「市場の伸び」や「高い収益性」が容易に予想できたり、すでに存在したりしているため、企業にとって市場に参入しやすい心理的な環境が整っている。それに対し、ブルー・オーシャンな市場では多くの場合、自ら市場を作っていく必要がある。 | |
− | + | 差別化、低コスト、コア・コンピタンス、ブランディング……、といった経営戦略論はいずれもライバルと同じ市場で戦うかぎり、どれほど巧妙に戦略を練ったところでいずれ消耗戦を強いられることになる。W・チャン・キムとレネ・モボルニュはこの「血みどろの戦いが繰り広げられる既存市場」を「レッド・オーシャン(赤い海)」と呼び、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場、すなわち「ブルー・オーシャン(青い海)」を目指すべきだと説いた。 | |
− | + | ブルー・オーシャン戦略では、顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」「取り除く」ことによって、企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だとしている。 | |
− | + | これは言い換えれば選択と集中に他ならないが、顧客視点で何を重視すべきか(優位点の設定)さえまちがわなければ市場での支持を得られるとしている。 | |
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− | + | 書籍では日本の10分1000円のカット店の事例などが紹介されている。韓国サムスングループが組織的にブルー・オーシャン戦略を実践していることが知られている。ゲーム業界において、ソニー(プレイステーション3)やマイクロソフト(XBOX 360)が仕掛けた高性能化競争に埋没しかけていた任天堂が、Wiiの開発にブルー・オーシャン戦略を応用したといわれている。比較的ロースペックのハードウエアながら、「Wiiリモコン」などの新機軸で、ゲーム慣れしていない層にとって付加価値を提供することに成功した。 | |
+ | そのほか、レンタルサーバー市場でのロリポップなども挙げられる。 | ||
==参考URL== | ==参考URL== | ||
*[http://www.tkd-randomhouse.co.jp/blueocean/qa.html ブルー・オーシャン戦略の著者が語る] | *[http://www.tkd-randomhouse.co.jp/blueocean/qa.html ブルー・オーシャン戦略の著者が語る] | ||
+ | *[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E6%88%A6%E7%95%A5 ブルー・オーシャン戦略 - Wikipedia] | ||
==参考書籍== | ==参考書籍== | ||
− | * | + | *ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する ISBN 978-4270000700 |
==関連項目== | ==関連項目== |
2010年11月26日 (金) 14:52時点における最新版
概要
ブルーオーシャン(Blue Ocean)とは、W・チャン・キムとレネ・モボルニュが著したビジネス書『ブルー・オーシャン戦略』の中で述べられている経営戦略論に登場する概念。
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。 また、その戦略を「ブルー・オーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)」と呼ぶ。
提唱者等
INSEADビジネススクール教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュ。
解説
従来からよく知られているマイケル・ポーターの競争戦略が、「事業が成功するためには低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略のいずれかを選択する必要がある」としているのに対し、ブルー・オーシャン戦略では、低コストと顧客にとっての高付加価値は両立し得ると主張している。
レッド・オーシャンな市場は「市場の伸び」や「高い収益性」が容易に予想できたり、すでに存在したりしているため、企業にとって市場に参入しやすい心理的な環境が整っている。それに対し、ブルー・オーシャンな市場では多くの場合、自ら市場を作っていく必要がある。
差別化、低コスト、コア・コンピタンス、ブランディング……、といった経営戦略論はいずれもライバルと同じ市場で戦うかぎり、どれほど巧妙に戦略を練ったところでいずれ消耗戦を強いられることになる。W・チャン・キムとレネ・モボルニュはこの「血みどろの戦いが繰り広げられる既存市場」を「レッド・オーシャン(赤い海)」と呼び、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場、すなわち「ブルー・オーシャン(青い海)」を目指すべきだと説いた。
ブルー・オーシャン戦略では、顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」「取り除く」ことによって、企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だとしている。 これは言い換えれば選択と集中に他ならないが、顧客視点で何を重視すべきか(優位点の設定)さえまちがわなければ市場での支持を得られるとしている。
参考事例
書籍では日本の10分1000円のカット店の事例などが紹介されている。韓国サムスングループが組織的にブルー・オーシャン戦略を実践していることが知られている。ゲーム業界において、ソニー(プレイステーション3)やマイクロソフト(XBOX 360)が仕掛けた高性能化競争に埋没しかけていた任天堂が、Wiiの開発にブルー・オーシャン戦略を応用したといわれている。比較的ロースペックのハードウエアながら、「Wiiリモコン」などの新機軸で、ゲーム慣れしていない層にとって付加価値を提供することに成功した。 そのほか、レンタルサーバー市場でのロリポップなども挙げられる。
参考URL
参考書籍
- ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する ISBN 978-4270000700