「アドボカシーマーケティング」の版間の差分
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そもそもの話として、すべての消費者のニーズに応えることができないのと同様に、同じ顧客であってもすべてのニーズに応えることはできない。 | そもそもの話として、すべての消費者のニーズに応えることができないのと同様に、同じ顧客であってもすべてのニーズに応えることはできない。 |
2009年4月4日 (土) 23:07時点における版
概要
顧客との強固な信頼関係を築くことを目的に、顧客の意向を最優先し、場合よっては他社製品を紹介したり、他店での購入を案内するなど、徹底的に顧客本位で接するというマーケティングのこと。
提唱者等
米マサチューセッツ工科大学のグレン・アーバン教授の著書「アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業」(英治出版)にて。
解説
いわゆる「損して得取れ」という考え方に近いと思われがちだが、まったく別物である。実際のところは顧客の選別であり、さらには顧客内のニーズの選別を行なうことである。 ただしその選別を行なう際の対応がポイントとなる。自社の強みを活かせない場合(ニーズに応えられない場合)に、顧客を欺いて無理に商品を買わせることをせず、また単純に切り捨てるのでもなく、顧客ニーズを満たせるであろう他社、他店を紹介することで、その顧客にとってのファーストチョイスの座を維持することが本当の目的。 そうすることで次回の購入機会にはまた最初の選択肢として検討してもらうことができる。
背景としては消費者間の情報交換が活発になり、企業が望む望まないに関わらず透明性が増していることがある。その結果、顧客に不利益になるような対応をした企業は、結果的に消費者による社会的制裁を受けることになる。具体的にはブログ等のソーシャルメディアでバッシングされたり、それが過熱した場合にはマスメディアに飛び火して報道され、最悪の事態としての不買運動が起こる。
そもそもの話として、すべての消費者のニーズに応えることができないのと同様に、同じ顧客であってもすべてのニーズに応えることはできない。 たとえばある顧客は液晶テレビには強いこだわりがあるが、ビデオデッキは価格優先でこだわりがない場合、高機能・高価格を売りにしている家電メーカーはテレビを販売することはできても、ビデオデッキについては顧客の要求を満たせない。 そのようなケースにおいて、アドボカシーマーケティングを実践し、他社製品を紹介することで、次回また家電を購入する際に、自分たちの製品を検討してもらえる。
ただし、アドボカシーマーケティングが成功するには、特定のニーズにおいては他社を圧倒できる製品の強みがあることが絶対の条件である。さらには顧客対応部門のコミュニケーション能力が高くないと、たんに顧客離れを加速させるだけになるので注意が必要。
参考事例
関連マーケティング
参考書籍
- アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業 ISBN 978-4901234955