目次

概要

Key Performance Indicatorsの略で、重要業績評価指標のこと。組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群である。

提唱者等

不明。

解説

KPIはビジネスインテリジェンスにおいて、現在のビジネスの状態を示すものとして使われ、今後の対応策でどうなるかを予測するのに使われる。KPIをリアルタイムで監視することを BAM(ビジネスアクティビティ・モニタリング)と言う。KPIは、リーダーシップ育成、雇用、サービス、顧客満足といった定量的計測が難しいものを定量化するのに使われることが多い。KPIは(例えば、バランスト・スコアカードのような技法を通して)一般に組織の経営戦略と関連している。

実際のKPIはその組織の特性や戦略によって異なる。組織の目標達成度合いを測る補助となるもので、特に定量化しづらい知識ベースのプロセスに関するものが多い。

KPIは、組織の方向性、KPI、ベンチマーク、目標、時系列などの測定対象の重要な一部である。例えば、「顧客毎の平均収入の増加を2008年末までに10ポンドから15ポンドにする」と言った場合、「顧客毎の平均収入」がKPIである。

KPIは、主要成功要因(CSF)とは異なる。例えば上記の例では、「顧客毎の平均収入」を増やすという目標を達成するためになすべきこと(例えば、新製品投入)がCSFになる。

マーケティングにおけるKPI

経営者が利用するマーケティングにおけるKPIとしては、以下のものがある。

  1. 顧客に関する数値
    • 新規獲得顧客数
    • 既存顧客の状態
    • 顧客の損耗(失われた顧客数)
  2. 顧客セグメント毎の回転率
  3. 顧客セグメントと支払い方法毎の未払い残高
  4. 顧客関係における貸倒金額
  5. 潜在顧客に関する統計分析(顧客になる割合、ならない割合など)
  6. 顧客の支払遅滞分析
  7. 人口統計的セグメント化による顧客の収益性と、収益性による顧客のセグメント化

これら顧客に関するKPIの多くは、顧客関係管理と共に発展してきた。

これらのリストは包括的であって、特定業界に固有なものではない。これらは銀行にも当てはまるし、電話会社やサービス業にも当てはまる。

重要な点は以下の通りである。

  1. 一貫性があり、正しいKPI関連データ
  2. KPI関連データが時期を逃さずに入手可能であること

データを素早く入手することは、多くの企業が重視するようになってきている。1カ月や2カ月の遅延は日常茶飯事だった。一部企業はもっと素早くデータを利用可能にするよう試行している。例えば、金融業では情報の早さが重要であり、シティバンクは週単位でKPI関連データを集計しており、場合によっては数値を毎日分析している。つまり、ITの利用によって24時間以内にデータが得られるようになっている。

問題点

実際に重要業績評価指標を得ようとしている企業では、特定のビジネスに必要な重要業績評価指標を測定しようとすると、あまりにもコストがかかったり、困難だったり、不可能だったりすることが分かる(例えば、従業員の勤労意欲は数値化するのが難しい)。履歴が似ているビジネス指標をKPI測定に使うことが多い。これはうまく働くことが多いが、それが正確な測定ではなく単なる大雑把なガイドにしかならない点を忘れてはならない。

別の実用上の問題として、一旦KPIを決定すると、例えば毎年の傾向の比較をする必要性から、KPIを簡単には変更できない点があげられる。

また、あまりにも特殊なKPIは、他社との比較に使えないという問題もある。

参考URL

参考書籍

  • バランス・スコアカード入門 ISBN 978-4820117018

関連項目

関連マーケティング