「ファストマーケティング」の版間の差分

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提唱された著書によると以下のような定義とされている。
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提唱された書籍によると以下のような定義とされている。
  
  ソーシャルメディアマーケティングの戦略と戦術を構築するうえでも有効な Fast Marketing(ファストマーケティング)という概念をここで提唱しておこう。  Fast(ファスト)という言葉は、“速い”という意味でさ まざまな使われ方をしている(リーズナブルという意味も含みつつ)。たとえば、ハンバーガー、ホットドッグ、サンド ウィッチなどを素早くリーズナブルに提供する Fast Food(ファストフード)。最近では同じようなニュアンスで、H & M、Forever 21、Zara のようなファッション販売形態を Fast Fashion(ファストファッション)などと呼ぶ。それに対し、このファストマーケティングという概念は「いまを敏速に捉え、それを敏速に体現するマーケティング」を示す。ここには価格的な安さ、つまりリーズナブルの意は含まない。
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Fast Marketing(ファストマーケティング)という概念をここで提唱しておこう。
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などと呼ぶ。それに対し、このファストマーケティングという概念は「いまを
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安さ、つまりリーズナブルの意は含まない。
 
  ファストマーケティングの実践においては、
 
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  1)情報の鮮度 2)計画・実行・評価・改善のサイクルスピード 3)判断・意思決定のスピード
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  『ソーシャルメディアマーケティング』(P.77)
 
  『ソーシャルメディアマーケティング』(P.77)
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また小川浩氏によると、Simple・Speed・Systemの3つのSが重要とのこと。
 
また小川浩氏によると、Simple・Speed・Systemの3つのSが重要とのこと。
  
  僕たちは最近ファストマーケティング構想を打ち出しています。大事な事は3つのS。企業の事業伸張のためというシンプルな(Simple)目標のために、誰よりも早くキャッチーな(Speed)ソリューションを考案し、基盤となるテクノロジーと仕組み(System)を提供するというものです。
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ファストフードは「安くて(商品が出てくるのが)早い」、ファストファッションは「安くて(流行への対応が)速い」と両社の意味がすでにちがうので、どちらの意味の「ファスト」を継承しているのかがわかりにくくなっていることに加え、共通している低価格については「ここには価格的な安さ、つまりリーズナブルの意は含まない」としているため、余計にわかりにくくなっている。
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ファストフードは「安くて(商品が出てくるのが)早い」、ファストファッションは「安くて(流行への対応が)速い」と両者の意味がすでにちがうので、どちらの意味の「ファスト」を継承しているのかがわかりにくくなっていることに加え、共通している低価格については「ここには価格的な安さ、つまりリーズナブルの意は含まない」としているため、余計にわかりにくくなっている。
  
 
またファストフード、ファストファッションの共通点として短いサイクルで大量生産・販売することが特徴であるが(そのためファストファッションを展開する各企業は製造小売業=SPAの形態を取っており、それゆえに利益が確保できる)、この部分が曖昧になっていることも混乱の一因になっている。
 
またファストフード、ファストファッションの共通点として短いサイクルで大量生産・販売することが特徴であるが(そのためファストファッションを展開する各企業は製造小売業=SPAの形態を取っており、それゆえに利益が確保できる)、この部分が曖昧になっていることも混乱の一因になっている。
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==参考URL==
 
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*[http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2010/07/post-9fef.html ファストマーケティングをフラッシュマーケティングと混同するな!:Speed Feed:ITmedia オルタナティブ・ブログ]
 
*[http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2010/07/post-9fef.html ファストマーケティングをフラッシュマーケティングと混同するな!:Speed Feed:ITmedia オルタナティブ・ブログ]
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*[http://en.wikipedia.org/wiki/FAST_marketing FAST marketing - Wikipedia, the free encyclopedia]
  
 
[[Category:マーケティング大百科]]
 
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2010年8月4日 (水) 02:30時点における最新版

概要

ファストフード、ファストファッションのように、いまを敏速に捉え、それを敏速に体現するマーケティングのこと。

提唱者等

2009年7月にオガワカズヒロ(小川浩氏と小川和也氏によるクリエイティブユニット)が著書『ソーシャルメディアマーケティング』で提唱したとされる。

解説

提唱された書籍によると以下のような定義とされている。

ソーシャルメディアマーケティングの戦略と戦術を構築するうえでも有効な
Fast Marketing(ファストマーケティング)という概念をここで提唱しておこう。
Fast(ファスト)という言葉は、“速い”という意味でさ まざまな使われ方を
している(リーズナブルという意味も含みつつ)。たとえば、ハンバーガー、
ホットドッグ、サンド ウィッチなどを素早くリーズナブルに提供する Fast Food
(ファストフード)。最近では同じようなニュアンスで、H & M、Forever 21、
Zara のようなファッション販売形態を Fast Fashion(ファストファッション)
などと呼ぶ。それに対し、このファストマーケティングという概念は「いまを
敏速に捉え、それを敏速に体現するマーケティング」を示す。ここには価格的な
安さ、つまりリーズナブルの意は含まない。
ファストマーケティングの実践においては、
1)情報の鮮度 
2)計画・実行・評価・改善のサイクルスピード 
3)判断・意思決定のスピード
が重要となる。
『ソーシャルメディアマーケティング』(P.77)

また小川浩氏によると、Simple・Speed・Systemの3つのSが重要とのこと。

僕たちは最近ファストマーケティング構想を打ち出しています。大事な事は3つのS。
企業の事業伸張のためというシンプルな(Simple)目標のために、誰よりも早く
キャッチーな(Speed)ソリューションを考案し、基盤となるテクノロジーと
仕組み(System)を提供するというものです。


問題点

ファストフードは「安くて(商品が出てくるのが)早い」、ファストファッションは「安くて(流行への対応が)速い」と両者の意味がすでにちがうので、どちらの意味の「ファスト」を継承しているのかがわかりにくくなっていることに加え、共通している低価格については「ここには価格的な安さ、つまりリーズナブルの意は含まない」としているため、余計にわかりにくくなっている。

またファストフード、ファストファッションの共通点として短いサイクルで大量生産・販売することが特徴であるが(そのためファストファッションを展開する各企業は製造小売業=SPAの形態を取っており、それゆえに利益が確保できる)、この部分が曖昧になっていることも混乱の一因になっている。

参考事例

特になし。

関連マーケティング

特になし。

参考書籍

  • ソーシャルメディアマーケティング ISBN 978-4797358353

参考URL

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