デ・マーケティング

目次

概要

デ・マーケティング(Demarketing)とは、通常のマーケティングとは逆に、顧客需要を一時的ないし永続的に減退させるマーケティングのこと。

提唱者等

フィリップ・コトラー(Philip Kotler)とシドニー・レヴィ(Sidney Levy)が1971年に提唱。『ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)』に寄稿した「デ・マーケティング戦略」(11~12月号)が初出。

解説

提唱者のコトラーによれば、デ・マーケティング(Demarketing)とは「顧客全般の、または一定クラスの顧客の需要を一時的にまたは半永久的に抑制するマーケティング活動」を意味する。

通常のマーケティングとは逆に、需要を抑制するよう働きかける戦略のことで、簡潔に言えば、一般的にマーケティングとは「需要を喚起する活動」であるが、デ・マーケティングは「需要を抑制する活動」であるといえる。

この考え方の背景にあるのは、マーケティングは本来、現在の企業の供給能力、価値提供能力とその中・長期的な目標に合うように需要を統制しなくてはならないというものです。すなわち供給不足を招くことで企業の信用を損ねることを避けるための積極的な戦略がデ・マーケティングである。

具体的には、環境保護のために観光客をたくさん招致しないほうに情報を抑制したり、生産量が追いつかない場合にテレビCMをやめたり、といったことがある。そのほか、デ・マーケティングの手法としては値上げ・広告の自制・プロモーション費用の削減・限定生産・入場制限・販売経路などがある。

デ・マーケティングのケース

コトラーによれば、デ・マーケティングには以下の3つのケースがあるとされている。

一般的デ・マーケティング

企業が需要の全体量を下げたい場合

選択的デ・マーケティング

ある特定の市場セグメントに対して需要を抑制したい場合

表面的デ・マーケティング

供給量を過少に見せかけ、需要を喚起したい場合

参考事例

  • 上高地のマイカー規制
  • ディズニーランドの入場制限

参考書籍

  • コトラーのマーケティング・マネジメント -ミレニアム版- ISBN 978-4894716445

参考URL

関連項目

関連マーケティング