平均と分布

10人のアンケートで、5点満点の平均が3点だったとします。
これは何を意味していると思いますか?

この結果が示しているのは、全員の合計ポイントが30点だったということだけです。
そしてこの平均では見えないものが分布なのです。

例えばユーザーアンケートなどで、評価値を集計することはよくあると思います。このときに平均しか見てないとしたら、それは情報としてはほとんど無意味です。

以下のグラフを見てみてください。これらはすべて「平均値が3」になる結果です。




これらすべてが「平均値が3」という結果しか示していないのです。もちろん全員が3点であることもあり得ます。
極端に評価が分かれているのか、それとも平均値付近に評価が集まっているのか、それは分布を見なければわかりません。

大絶賛と大不評ならそれは個性があっても強みとして活かせばいいですし、平均値付近ならおそらくそれが全体の評価なのだと思います。

データの分析はマーケティングで重要な作業ですが、正しく数字を読み解くには平均と分布の違いをきちんと認識してください。

河野

当メディア編集長。コミュニケーション・デザイナー。企画屋。1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知らせメール」などを考案した。また、はてな社との協業による商品の人力検索サービス等をプロデュース。2005年から2007年までシックス・アパート株式会社のマーケティング担当執行役員を務める。2007年から2010年までブックオフオンライン株式会社取締役を務め、サービスの立ち上げ全般のサポートに加え、「オトナ買い」や「デマチメール」などの独自機能を考案した。その後、フリーランスに。2014年から株式会社クラシコムに勤務。現在に至る。「アクティブサポート」や「最愛戦略」の提唱者。個人として「攻城団」と「まんがseek」を企画運営。個人のサイトはsmashmedia

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