みなさんは「AIDMA(アイドマ)」という言葉を聞いたことがありますか。
AIDMAは人間の購買行動プロセスを図式化したものです。こんな図を見たことがありませんか?

AIDMAの法則

人間がモノを買うとき、いきなり買うことはありません。まずその商品なりサービスの存在を知り、それに興味や関心を持ったら、その次に「欲しい」と思うようになります。

たとえば、あなたが液晶テレビを買う場面を想像してください。「欲しい」と思ってもすぐには買いませんよね。人間は往々にして逡巡します。「どうしようかな」「やっぱり欲しいな」という自問自答の末に最終行動、つまり購買がなされるわけです。

「衝動買い」と呼ばれる購買行為もじつはAIDMAの各ステップを一瞬で通り抜けているだけで、一足飛びにAttentionからActionにいっているわけではありません。必ず興味を持って、欲求や記憶を経た上で、行動に移すのです。

ひとつだけ、現代のマーケティングと違和感があるのは、Memory(記憶)の部分です。AIDMAはマス・マーケティング全盛時に作られた概念なので、店頭での消費行動よりも、テレビや新聞などの広告を見た人が取る行動を表しています。だからぼくは上記の説明で「人は皆、逡巡する」と書いたけれど、店頭で気に入った商品を買う場合は「欲しい、よし、買おう」となるわけで、Memoryが購買に与える影響は一瞬だけです。

とはいえ、AIDMAは今でも十分有効な概念です。ぼくは頻繁にこのロジックを使ってマーケティング施策の分析を行います。

購買行動プロセスのボトルネックを探す

人間の購買行動プロセスはAIDMAの順番で、時系列に進んでいきます。このことから自分たちのマーケティング施策のどこで失敗しているのかを見つけることができます。

たとえばものすごくおいしいケーキがあったとします。フルーツも山盛りで、食べた人は必ずリピーターになってくれます。だけどなかなか売上が伸びていきません。こういうケースは珍しくありません。何が問題なのでしょうか。

答えは簡単で、「認知段階」で失敗しているのです。人間は知らないモノは買いません。もしこのケーキ屋さんがケーキの種類を増やしたり、テイクアウト用の箱を豪華にしたりしているのであれば、今すぐそのコストをプロモーションにまわして認知を高めるようにすべきです。

ちなみに広告もプロモーションのひとつですが、ここであえてプロモーションという表現を使ったのは意味があります。広報活動などによっても認知を高めることはできるからです。もちろん広告は今でも有効な手段です。

あるいは十分な認知があるのにモノが売れない場合は、「感情段階」に問題があると見るべきです。興味を持ってもらえるだけの情報を提供していますか、写真やスペックを詳細に公開していますか、覚えやすい商品名になっていますか、その商品を「欲しい」と思っていただくためにやれることはまだまだあるはずです。

認知もある、誰もが欲しいと思ってくれるようになった、それでも売れないとしたら、「行動段階」の問題です。よくあるケースはECサイトにおける支払方法の制限です。クレジットカードしか使えないとしたら、未成年はまず買えません。あるいは店頭販売のみの場合、遠隔地の方はやはり買えません。もしかしたらレジにすごい行列ができていて、買うのを諦めている方がいるかもしれません。

意外に「行動段階」で失うお客さんは多いのです。

このように、自社のサービスや販売活動をAIDMAの各ステップにあてはめてチェックすることは大変有効です。

購買ファネル(パーチェス・ファネル)

マーケティング活動はまさに「じょうろ」のようになっていて、認知を得ることに成功した「見込み顧客」と実際に購入してくれた「実顧客」には大きな開きがあります(例:1000人来店してくれたけど、買ってくれたのはそのうちの150人だった)。これはAIDMAの各ステップごとに歩留まりがあるからです。

上記の図は「購買ファネル(パーチェス・ファネル)」と呼ばれています。

AIDMAが便利なのは「時系列」で確認できる点に尽きます。AttentionがなければInterestは起こらないし、Desireが起きなければActionには至りません。
このシンプルなロジックこそがAIDMAが今でも活用されるメリットなのです。

河野コメント

ぼくが分析をする場合、実際にはもっと細分化した購買行動プロセスを使っていますが、基本にあるのはAIDMAです。